旬
品種改良がめざましく、多くの品種がある。東日本では、「金時」「高系14号」「ベニアズマ」などが主流。西日本では、「コガネセンガン」「高系14号」「ベニアズマ」などを多く栽培。旬は、金時が、10~3月。ベニアズマは、9~11月、高系14号は、7~8月と品種によって違う。
産地・歴史
- サツマイモは、世界中で栽培されている。中国が一番の生産量で、ついで、インドネシア、インド。中国や東南アジアでは、葉もつるも食用とします。中央アメリカ熱帯域では、古くから栽培されている。
- ヨーロッパやアジアへ導入されたのは、コロンブスの新大陸大発見後である。1492年、コロンブスによって、スペインに持ち込まれ、ヨーロッパ各地に広まっていった。
- 日本には、1597年宮古島に入ったのが最初とされている。沖縄や長崎、薩摩へ伝わり、薩摩での栽培が盛んで、薩摩を経由して、日本全国に広まったことから、「薩摩芋(さつまいも)」と名がついた。
- サツマイモは、やせた土地でも栽培が可能で、豊凶の差が少ないので、飢饉の際の救荒作物として役立ってきた。1732年に起こった享保の大飢饉のころから、第二次世界大戦の戦中、戦後の食糧難の時も、飢えと命をつないだ優秀な野菜。
- サツマイモは、甘藷(かんしょ)、琉球芋(りゅうきゅういも)、唐芋(からいも)とも呼ばれる。九里(栗)よりうまいとして「十三里」ともよぶ。「九里四里(くりより)うまい十三里」という語呂合わせから。
- 味がよく、皮も肉も色が美しい金時と呼ばれる紅赤や、紅あずまなどを中心に栽培している。
品種
- [ 紅赤(べにあか)]
- 肉の色が黄色く、甘みが強い。関東地方では代表品種、「金時(きんとき)」とも呼ばれる。焼き芋にすると、ホクホクして美味しい。加熱すると鮮やかな色になるので、きんとんにも利用される。
- [ 紅あずま ]
- 紅赤と並んで、関東代表品種。千葉県、茨城県での生産が多い。皮は濃い赤紫で、肉の色は黄色。繊維が少なく、甘みが強い。きんとんやスイートポテトなどのお菓子などに利用されることも多い。
- [ 紅はやと ]
- ビタミンAの含有量が、普通のサツマイモの20倍あるのが特徴。皮は淡紅色、肉の色はオレンジ。色が鮮やかなことから学校給食にも利用される。
- [ 高系14号 ]
- 品種改良の際つけられた符号がそのまま品種名となっている。関西より西で多く栽培。皮は、茶色がかった赤、肉の色は淡黄色。ほどよい甘さ。早堀りにむき、7~8月からでまわる。
- [ 小金千貫(こがねせんがん)]
- 皮の色が黄白色なのが一番の特徴。南九州で多く栽培。多くは、焼酎に加工される。皮が薄くホクホクしているので、食用にも向き、うす味で煮たり、天ぷらにすると美味しい。
栄養
- 主成分は炭水化物。ショ糖、果糖、ブドウ糖などを含んでエネルギーにかえる。
- ビタミンCの含有量が多く、イモ類の中でトップクラス。加熱により壊れやすいビタミンCだが、でんぷんの働きにより壊れにくいのが特徴。
- 食物繊維もタップリ含まれているので、腸内をきれいにして、便秘を改善したり、コレステロールを体外に排出するので、大腸ガンや動脈硬化の予防に役立つ。
- 便通を促す「セルロース」、便をゆるくする「ヤラピン」(切り口ににじみ出てくる乳汁)などの成分を多く含んでいるのが特徴。これが便秘予防につながり、女性に人気となっているようです。
- 塩分を排出するカリウムも含んでおり、高血圧にも有効。肉質が濃い黄色の品種には、ガン予防に効果的なベータカロテンを含んでいる。
選び方
中くらいの太さで、つやがよいものを選びます。極端に曲がっていたり細いもの、皮に傷があるもの、ひげ根のあとが大きく黒いものは古いので避けます。毛穴が深いものは筋っぽいことが多いので避けます。金時系にある黒い穴は、針金虫の幼虫の害をうけた跡なので、チェックが必要。
保存
寒さに弱いので、冷蔵庫には入れずなるべく常温で風に当てないように保存します。新聞紙に包んで、日の当たらない場所に置くのが一番。水がつくと腐りやすいので、ポリ袋などに入れたまま放置すると、蒸れて腐敗の原因になる。
調理
皮をむくときは、3~4cmの長さに切り、厚めにむく。サツマイモを輪切りにすると、内側にうすく筋のような輪が見え、この部分には、褐色に変化させる成分を含んでいるので、筋の部分まで皮をむくと、加熱しても色がかわらない。切ったらすぐに水につけて、アクを抜く。
サツマイモには、でんぷん質を分解する酵素を含んでいる。この酵素は、50~60℃の加熱が長く続くと、活発に作用して、甘みを増す特徴がある。加熱する場合は、水からゆっくり加熱すると、甘くできる。電子レンジでの加熱は、急に加熱をはじめるため、酵素作用が働かない前に、料理ができあがってしまうので、結果、甘みの少ないサツマイモとなってしまう。
石焼き芋は、60℃より少し高めの石の中に埋めて、ジックリ加熱するので、甘くておいしく出来上がる。サツマイモを煮る時、レモンやオレンジを加えると、酸の働きにより、色鮮やかな黄金食に煮上がる。くちなしの実をガーゼに包んで煮汁にいれても、同じように鮮やかな色に仕上がる。
切り干しいもは、サツマイモを蒸すかゆでたものを薄く切り、ほしたもの。乾燥の度合いにより、固さはさまざまだが、そのまま食べても、さっと焼いてもおいしい。ストーブにのせてこんがり焼くと甘くておいしい!
話題の"紫いも"
お菓子にも使われるようになってきた「紫いも」。紅いもとも呼ばれている。特徴は、肉の色が紫色をしていること。これは、「アントシアニン」というもので、赤ワインにも含まれているという「ポリフェノール」ひとつ。抗酸化性で、活性酸素を除去して肝機能の向上に効果や、血圧の上昇を抑制する働きもある。現在、7品種ほどが栽培されており、山川紫やアヤムラサキが有名。九州・沖縄での栽培がほとんど。