旬
陰暦8月(今の9月)を「芋名月(いもめいげつ)」といいますが、旬は種類によって多少の差がある。入荷のピークは8~10月ですが、貯蔵のものは年中出回っている。
特徴
- 里でとれるので「里の芋=里芋」と名がついた。
- 原産地は、スリランカとされ、日本にまだ稲が伝来していない頃、中国からもたらされ、古くから栽培。
- サトイモを葉でつつみ、蒸し焼きにして常食していたらしいという遺跡も発掘されている。
- さつま芋、じゃが芋が登場する江戸時代までは、"芋"といえば、里芋をさしていた。
- 里芋は、茎の肥大したもので、株の中心に大きな親芋があり、そこから、子芋、孫芋がふえていく。
親芋を食用にせず、子芋や孫芋を食用にするのを「子芋用品種」
親芋を食用にするのを「親芋用品種」
親芋、子芋の両方を食用にするのを「親子兼用種」
- 里芋は、小芋がたくさん増えるので、おめでたい食品のひとつとなっている。正月や行事の料理に里芋の煮しめは、つきもの。
栄養
- 主成分は、デンプン、タンパク質。カリウムの量が、他のイモ類より抜群にある。カリウムは、塩分の取りすぎを抑える効果がある。
- 食物繊維も豊富なので、コレステロールの正常化や整腸作用に効果がある。
- 水分が83%と、イモ類の中では最も多いので、低カロリー。
- 特有のぬめりは、ガラクタン、ムチンという食物繊維の一種。ガラクタンは、脳細胞を活性化して老化やボケを防ぎ、免疫力を強め、ガンの予防に効果があるといわれている。ムチンは、消化を助け、胃壁の潰瘍を防止し、内蔵を強化する働きがある。ムチンは、消化酵素のひとつ。タンパク質の分解を促進するので、消化力が高まり、便秘の改善。
- 調理の時に、ぬめりをおとしてしまうと、効能が生かせない!そして、煮る時は、吹きこぼれに注意。
種類
- [ 土垂(どだれ)]

- 関東地方で多く栽培されている小いも用品種。コロンとした楕円形の里芋。肉質はネットリしていて、柔らかく、煮崩れしないのが特徴。含め煮、煮っころがしにむく。
- [ 石川早生(いしかわわせ)]

- 土垂と並ぶ、子芋用品種の代表的存在。陰暦の8月15日の月見は昔から「芋名月」とも呼ばれるが、そのころが出始めとなる子芋を供えたことに由来する。皮ごと蒸して食べる「きぬかつぎ」にも。
- [ えびいも ]

- 親子兼用種。唐芋(とうのいも)とも呼ばれる。形が海老(えび)に似ているので、「えびいも」と呼ばれることのほうが多い。京都では、高級品として扱われ、ホクホクし、煮くずれしにくいのが特徴。京都の伝統料理に、えびいもと棒ダラを煮たものがある。
- [ 八つ頭(やつがしら)]
- 親子兼用種。子芋が分球しないので、ゴツゴツした形。ホックリとしていて、味もよい。里芋の中で高級品。末広がりなので、お正月のお節料理に使うことも多い。関西では、雑煮にいれる風習がのこっている。
- [ 京いも(きょういも)]

- 地上に頭をだしている形が、筍(たけのこ)に似ているので、「たけのこいも」が正式名称。親芋用品種。長さ60cmほどになることもある。寒さに弱いので、九州で栽培されている。煮くずれしにくいので煮物に最適。
- [ セレベス ]

- 親子兼用種。インドネシアのセレベス島から伝えられた里芋。芽が赤いのが特徴。おでんや薄口の煮物にむく。寒さに弱いので、九州地方で栽培されている。
選び方
秋に収穫した里芋は、翌春まで、出回る。胴部が肥え、左右対称に整い、コブがなく、皮に必要以上に 湿気のないものが良品。肌に小さな、縦のひび割れのあるものは、乾燥や高温が原因で肉質が軟化している。
保存法
腐りやすいので、冬場の保存は要注意。低温で保存すると長持ちしない。できるだけ泥つきをもとめ、残ったら乾燥しないように新聞紙に包み、室温で保存。皮がむいてあったり、綺麗に洗ってあるものは、入手後すぐに使いきる。
調理のコツ
皮をむくとき手がかゆくなるが、重曹、塩、酢水をつけると防ぐことができる。えぐみやぬめりは独特の香りの元でもあるので、あまり除き過ぎると風味を損なう。アク抜き、ぬめり取りはほどほどに。
里芋にまつわる行事
里芋の歴史は古く、日本でも稲作以前の縄文時代には主食に値するものでもあった。そのため、様々な農耕儀礼と結びつき、各地で里芋にまつわる行事も少なくない。「芋煮会」はその中でも有名で、東北地方を中心に各地でも開かれている。