産地・旬
- 多年生水生草本。原産地には諸説あり、中国原産説とエジプト原産説。
- 日本には2000年以上前に伝来し、本格的に栽培され始めたのは、明治以降。収穫は、冬から春先にかけて。
- 「古事記」や「万葉集」にも記載があるくらい、古くからある。
- 関東では、茨城の土浦が産地として有名で、8~9割が土浦産。他、徳島、山口、愛知など。佐賀は古くから産地である。
特徴
- 蓮根=はすの根と書いて、れんこん。はすの地下茎の肥大した部分を食用。
- 穴があいているため「先が見通せる」として、祝いの料理に使われる。
- れんこんの穴は外と呼吸するために重要な穴。そのために、れんこんの節やはすの茎にもすべてあいていて、この穴を通じて、酸素をとりいれている。不思議なことにこの穴は、太いのも細いのも決まっていて、真中に1個、周りに9個か10個あいている。
- 古代インドでは、神がハスから誕生したという神話があり、聖なる花、吉祥の象徴とされ、種が多いので、多産、生命、神秘のシンボルにもなっている。
品種
在来種は、スラリと細長く、少し茶色がかった肌色をしている。地下茎が深く、収穫量が少ない。現在は、一部の地域でしか栽培されていない。中国種より粘り気が強く、切り口から糸をひく。中国種は、明治時代初期に中国から導入されたもので、地下茎が 浅く、ふっくらとしている。掘り出しやすく、病気につよいので、現在は主流となっている。在来種より粘り気が少なく、シャキシャキとした歯ざわりがあり、肉厚なのが特徴。れんこん料理全般に使われる。
栄養
- 古代から食用されていたとあって、薬用効果の高い野菜。主成分は糖質(デンプン)で、野菜としては、エネルギーが高い方。
- ビタミンCやカリウムが多く、鉄やビタミンB6も含まれている。ビタミンB6は造血作用のあるビタミンといわれ、鉄分とともに、貧血気味の女性には、お勧めの食材。胃潰瘍、十二指腸潰瘍にも効果あり。
- ビタミンCは、100gで1日に必要なビタミンをまかなえるほど。タバコやお酒を飲みすぎた後、ビタミンCが必要なので、れんこんを食べるとよい。また、風邪の予防や美肌効果もあり。
- 水に溶けない食物繊維も豊富でこんにゃくやセロリよりも多い。便通をよくし、不要な物質を体外に排出してくれる働きがあり、コレステロールを低下させるので、高血圧予防や貧血防止に効果あり。
- レンコンを切ると切り口が黒ずむが、これはタンニンというアクの成分。タンニンは消炎、殺菌作用があり、気管支や肺に働き、喘息の発作や咳止めに効く。風邪の民間療法で、咳が止まらないときには、レンコンをすりおろした汁を飲むとよいといわれている。
- レンコンの切り口は、糸をひくが、これは糖たんぱく質の一種。たんぱく質や脂肪の消化を促進するので、胃腸の負担を軽くする。お正月の酢ばすは、ムチンの健胃作用で過食や飲みすぎによる胃もたれや胸焼けをすっきりさせる効果がある。
- ハスの葉や実も古くから漢方に用いられている。葉は下痢止め。タンパク質が豊富で、滋養強壮に。
選び方
- 切り口が白く、太くてまっすぐなものがよい。表面につやがあり傷が無いのもで、切り口の穴が小さく、穴の周囲にアクが出ていないもの。
- 穴の内側が黒っぽいものは、古いので避けるた方がよい。
保存
皮をむかずに、切り口はラップに包んで10℃以下で。
調理時のコツ
- 空気に触れると黒ずむので、切ったそばから酢水にさらす。つける時間は、5~15分が目安。
- ゆでる時も、ゆで湯に酢を加えると、白くゆであがる。
- 梅肉和えやワイン漬け、酢レンコン、煮物、炒め物、揚げ物など用途が広いが、特有の歯ざわりが楽しめるように火の通しすぎに注意する。
- 鉄製の鍋は厳禁! 酸化して、黒くなってしまうので、鉄製のお鍋をさける。
非常食?!?
戦国時代に各地に作られた城のお壕(ほり)には、はすが浮かんでいることが多かった。そこで、こんな説が・・・戦のときの非常食用に栽培していたとか。。。ろう城した時の食糧補給に。という話は残っていないが、うなずける話である。