旬
オクラの旬は真夏だが、近頃では、ハウス栽培や輸入も盛んで、1年中出回っている。
特徴
- 暖地性1年草。熱帯のハイビスカスと同じアオイ科植物。北アフリカ原産と言われる。
- 花は大きく、深夜から早朝に開花し、午前中にはしぼみ、実をつける。
- 花はクリーム色でその深部は紅色、花弁とがくは各五枚、実は細長く縦に五稜あり、先端がとがっている。貴婦人の指に例え、「レディースフィンガー」という異名ももつ。
- 一般的に実の色は緑だが、赤い花の場合は朱赤色の実がなる。
- 実は1日2cmくらいのびるため、食べ頃である5~10cmになるには、開花から1週間もかからない。
- 輪切りにすると、星の形に・・・・・ちょっと素敵な野菜。
食べ物の起源
- 原産地は諸説あるが、アフリカ東北部原産説が有力。2000年前にはすでにエジプトで栽培されており、古くから食べられていた野菜である。
- 日本へは江戸時代末期に伝わった。明治6年の記録が最初のものとされている。アメリカから伝来したため、「アメリカネリ」(ネリとはトロロアオイのこと)と呼ばれた。さやを輪切りにした後の形と味がレンコンに似ていたことから「陸蓮根」の和名がつけられた。現在は、一般的には英語名である「オクラ」と呼ばれている。
- 日本において現在のように一般的な野菜となったのは、昭和40年代頃から。高知県等で夏のハウスを活用できる野菜として高温性のオクラが選ばれ、栄養豊富な食品として普及をはかった。
- オクラは、アメリカでは「ガンボ」と呼ばれる。アメリカ南部のケイジャン料理の代表的な料理で使われる。ケイジャンとは、17世紀頃のカナダからのフランス系移民のこと。黒人奴隷文化も含め様々な食文化が混じり合ってでき上がったのがケイジャン料理。香辛料のきいた田舎風の濃い味付け、米、野菜、海産物など豊富に使うのが特徴。「ガンボ」はその代表料理の一つで、オクラのとろみを生かしたシチューである。
産地
- 国内の主な産地は、高知の他、鹿児島、沖縄、宮崎など。
- 11月~4月の国産の少ない時期にはタイ、フィリピンなどからの輸入物も多く出回る。
種類
切り口が星型になる五稜形が普通であるが、角のない丸さや形・紅色のもの・短形のものもある。
- [ オクラ ]
- 代表的な五稜形のオクラで、長さは5~6cmの若サヤ。開花後5日目ぐらいの未熟さやが最もおいしいといわれ、大きすぎるもの(10cm以上)は敬遠される。全体が白いうぶ毛で覆われているのも特徴。
- [ ミニオクラ ]
- 長さが3cmほどのかわいいミニオクラは、オクラよりもさらに早採りされたもので、料理の添え物として主に料亭などで使われる。柔らかくてジューシーなので生のままサラダに使っても美味しい。
- [ 赤オクラ ]
- 生産量は少ない。果色が赤く、ゆでると緑色に変わるので生食される。
- [ 花オクラ(トロロアオイ)]
- 原産地は中国。高さは1~1.5メートルくらい、花の直径は大きなものは30センチくらいある。根は漢方で鎮咳薬、健胃薬として使用されるが、花はドレッシング、醤油、味塩等をかけるとオクラと同じように粘り気があり、おいしく食べられる。
栄養
- 糖質が多く、マグネシウム・亜鉛・銅・鉄などの無機質やカロテン・ビタミンC、Eなどを多く含む。
- 独特の粘りの成分は、食物繊維のペクチンと糖タンパク質のムチン。ペクチンは整腸作用があり、血糖値の急上昇を押さえ、糖尿病の予防にも役立つ。ムチンにはタンパク質の消化を助ける働きがある。
- ねばり成分「ムチン」は、胃壁を保護したり、細胞表面をウィルスから守ったり、目の表面を覆ったりと言うように、体中の粘膜の表面液になる。また細胞のなかの水分を保持する働きもする。
選び方
うぶ毛が均一にびっしりときれいに表面を覆っているもの、さやの角が筋張っていないこと、緑色がさえているもの。緑色のネット袋にだまされないように見極めるように!ヘタの切り口が白いものは新鮮。身が少し固めのものは、成長しすぎている。
保存方法
- ポリ袋に入れて冷蔵庫保存すれば、4~5日保存可能。低温障害を起こしやすいので野菜室で保存すること。
- 生でもゆでても冷凍可能。一本ずつラップに包んで冷凍庫に保存すれば使いやすい。
下処理の仕方
- 表面の産毛は食感の邪魔になるので取り除く。塩をたっぷりまぶして表面全体をこする。まな板の上で軽く板ずりのようにしても良い。塩を洗い落としてから、さっとゆでれば下処理は終わりである。
- 姿のまま使う場合は、へたの部分の形を整えると良い。左手でオクラを回しながら皮をむくように固い部分を包丁でむきとる。
体によい粘りを多く摂るには
- おひたし、炒め物、煮物、天ぷら、スープ、サラダと幅広く使え、生でもおいしい。
- 粘り成分「ムチン」は組織が破壊されると多くなるので、生食では細かく刻んで使い、和え物には30秒ほど加熱して粘りけを出すとよい。また、加熱しすぎると粘り成分が外にとけ出してしまうので、煮汁も生かすシチューなどに入れるのも良案。
- ビタミンB群やCを期待するなら、生で食べるか、スープ煮のように汁ごと食べられる料理がよい。
- ビタミンAを効率よく摂取するには、炒め物や揚げ物など油を使った料理がおすすめ。
- 良質なタンパク質である納豆と食べると夏バテ防止に◎
オクラ=コーヒー??
オクラの種子はコーヒー豆に似ていることから、オクラの完熟種子がコーヒーの代用品として栽培されたことがある。しかし、本物とはほど遠い味だったのでいつの間にか消滅した。日本でもコーヒーの入手が困難であった戦時中は珍重された。