特徴
キク科の多年草。山野に自生し、また野菜として栽培する。
- 早春、地上に「ふきのとう」と呼ばれる苞(ほう)に包まれた花茎を出し、生長すると淡黄白色の頭花をつける。若いものは食用にされ、ほろ苦い味がする。春の訪れ告げる早春の香りがフキノトウでもある。花穂が伸びてしまったものでは、食用に不向きで、フキになるのを待つのがよい。
- 雌雄異株。花後、長い柄のある腎心形の大きな葉が出る。香りのある葉柄とふきのとうを食用とする。
- ふきのとうが春に芽を出してから大きくなるまでに夏になる。野生のフキの旬は夏になるが、栽培ものの出荷量は 3~5月がピーク。
- 食用としてのフキノトウ(花蕾)の旬・収穫期は3月~5月、フキ(葉柄)は3月~10月が採取時期。
- 南北に長い日本ではかなりの幅がある。北海道における旬は、フキノトウが4月、フキが5~6月と考えてよい。
- 数少ない日本原産の野菜のうち、最も古いもののひとつで、全国の山野に自生し、平安時代にはすでに栽培が始まっていた。地下の茎が根ざして、春になると空洞で長い葉柄を地上に出す。
- 種類は野生のものを含めて200種以上あるといわれているが、愛知早生(尾張ぶき)・水ぶき・秋田ぶきが栽培品種として有名。
- 野生のフキは、細くてかたく、アクも強いが、アク抜きをし、皮を丁寧にむき、調理すると栽培種とは違い香りも苦味もきつめだが、風味豊かな味である。栽培種のほとんどの品種は、愛知早生で、他の品種に比べ、芽立ちが早く、収穫量も多い。丈は、1m以上あり、茎も太く、淡緑色。繊維や苦味が少なく、香りがよい。難点は、根元部分が赤いこと。5月以降は、栽培の仕方で 茎全体が赤紫の「赤ブキ」となってしまうことがある。水ブキは、大阪・群馬が主産地で、フキの上等品。香りよく、やわらかで、色は淡緑色。雨傘の代わりになるほどの大きなフキが秋田ブキ。料理用の栽培ではなく、秋田名産のフキ羊羹(ようかん)や 砂糖漬けの原料として、栽培している。
名前の由来
- ヤマブキ、フウキ、フキンボ、タンバ等の別名を持つ。
- 昔、フキの葉が紙や布の代わりとして、食器や食卓などを拭くのに、使われていた事に由来する。また、紙が高価だった頃の人々は、トイレットパーパーの代わりに植物の葉や茎を利用していた。フキのもその中の一つで、あの大きくて柔らかい葉なら、十分にトイレットペーパーの代用になる。つまり、「蕗の葉」は、かつては「拭きの葉」だった。
栄養
- 特有の香気と苦味、葉触りが特徴でビタミンB1を除き、栄養がバランスよく含まれている。
- ふきのとうは、ふきの花蕾で、ふきより苦みが強く、カロテン・ビタミンC・鉄分などが多く含まれている。
- ふきの特有の香りが咳を鎮めたんを切り、喉や胸元をすっきりさせてくれる働きがある。また、ふきのとうやふきの葉には咳止め・止血などの薬用効果があるといわれている。
- ノンカロリーで、食物繊維に富んでいるため、美容の敵の便秘を防ぐと共に、ダイエット食にもなる。
- フキの独特の香りとほろ苦さは、消化にも役立つ。
料理
- フキは、ゆでてアク抜きしてから使う。灰を使ってアクを抜くが、なかなか手にはいらないので、重曹を少量入れてゆでると、色もきれいに仕上がる。
- 板ずりでもアク抜きができる。切りそろえたフキに多目の塩をふり、まな板の上でこする。あとは、ゆでればOK。この方法は、灰や重曹が不要で手軽。ゆであがったら、タップリの水にさらし、アクを抜き、薄皮と筋をとると下ごしらえの完成。だし汁と薄口しょうゆとかつお節をかけて食べると、春の味が満喫できる。煮物にする場合は、薄味にするとよい。きゃらぶきは、保存食となる。
- フキノトウは、刻んでみそ汁に入れたり、刻んで味噌と混ぜると 酒の肴にもなる。
ラワンブキ
北海道足寄町(あしょろちょう)にある国内で最も大きい巨大なフキ。茎の太さは10cmくらいになる。名前の由来は、地区名の螺湾(らわん)からきている。アイヌ神話には、コロボックルという山の幸を運んでくる小人の神様がいて、「ふきの下の人」という意味。ラワンブキなら、大人でも傘代わりになるほどで、小人体験できるぐらい大きい。ラワンブキは、JAあしょろの登録商標で、足寄町外に持ち出し禁止となっており、北海道遺産にも選ばれている。大きいわりには、とても柔らかく、ミネラルも豊富でおいしい。
フキの染め物
フキの特徴として、葉脈の美しさと季節性もあり、染め物としてもよく使われていた。 乾燥させた葉を、型にして、緑色の塗料で紙や布に刷り染めにする。「ふき刷り」と呼び、ふすまや風呂敷、ふくさなどを染めるのに、利用していた。