特徴
- えんどう豆には、若いサヤごと食べる「さやえんどう」と、熟してからサヤをむいて柔らかい豆を食べる「実えんどう」と、成熟した豆を乾燥してから食べる「青えんどう」「赤えんどう」の3種類がある。
- 涼しくて乾燥した気候が適していて、日本の他にも、中国、ヨーロッパ、アメリカでも栽培が盛んである。耐寒性のある豆で、童話「ジャックと豆の木」が物語るように、どんどん成長するが、畑を適当に休ませないと栽培ができなくなる。
- えんどうの花は「スイートピー」の花に似ている。
- 市場に多く出回るのは、「サヤエンドウ(絹さや)」で、地方名も多い。収穫時期から「サンガツマメ」(茨城・千葉)、サヤブドウ(群馬・栃木) ブドウマメ(栃木)、カキマメ(宮城)、ブンコ(広島)、ブンズ(埼玉・千葉)など。お正月のころのものを「成り金豆」といい、とても高価なものである。
種類
- [ 絹さやえんどう ]
- えんどうを早採りしたもの。開花後、20~25日頃の実が肥大しないうちに収穫する。サヤどうしがこすれ合う音が衣(きぬ・絹)ずれに似ているところから「絹さや」とも呼ばれる。絹さやえんどうは、長さ5~6cm くらい。渥美白花、伊豆赤花、乙女などの品種がある。昭和初期にカナダから導入された「オランダサヤエンドウ」は、サヤの長さが15~18cm ほどで、関西以西では、大さや種の人気も高い。
- [ 実えんどう(グリーンピース)]
- 春になるとサヤごと店頭に並ぶ。生産量の多くは、缶詰や冷凍食品として、一年中手に入るが、旬のものは、風味もよい。絹さやに比べ、糖質が倍以上含まれる。
- [ さとうざや(シュガーピース)]
- 他のえんどうに比べて、糖度が高い。おもに料理店での需要が高い。さやにややシワがあり、豆の形がクッキリ見えるのが特徴。さやごと食べられ、豆もあるので、絹さやより、食べごたえがある。
- [ スナップエンドウ ]
- 1970年代、アメリカから導入された新品種で、全米の野菜の中で金賞に輝いたほど。特徴は、豆が生長し、大きくなっても、サヤが硬くならないので、サヤごと食べられる。サヤの長さは、7~9cm ほど。甘みが強く、栄養価も高い。「スナックエンドウ」とも呼ばれている。
- [ 完熟させて種子を食べる品種 ]
- 中近東地域原産。豆は丸く、成熟すると皮にシワができる。緑色の青えんどうと褐色の赤えんどうは、日本でもおなじみで、黄白色の品種もある。青えんどうは、煮豆のうぐいす豆、うぐいすあん、甘納豆に利用する。赤えんどうは、みつ豆、豆大福、豆もちに利用される。
栄養
- サヤエンドウは、生育の途中で摘み取られるので、ビタミンCを多く含んでいる。100gで、1日の所要量の1/2を摂取できる。ビタミンCは、コラーゲンの生成に関わっており、抗菌作用、抗ストレス作用、シミ、ソバカスの予防にも役立つ。
- その他、ベータカロテン、ビタミンB群が豊富。ベータカロテンは、肌を美しく保ち、ビタミンB群は、糖質や脂質の代謝するので、肌作りを応援する働きがある。
- 食物繊維も充分に含んでいる。
- 「実えんどう=グリーンピース」の主成分は、タンパク質。良質なタンパク質で、体の組織の修復、集中力を高めたり、成長にはかかせない、必須アミノ酸「リジン」が多く含まれている。ビタミンB群、C、カリウムも含んでいる。ビタミンB群は、糖質や脂質の代謝を盛んにし、体に抵抗力をつける。ビタミンCは、感染症を防ぎ、ベータカロテンとともに、発ガン抑制に働く。美肌効果もある。カリウムは、利尿作用があり、むくみを解消し、余分な塩分を体外に排出し、高血圧や腎臓病に効果がある。食物繊維は、豆の中でトップクラスの含有量。便秘解消に加えて、コレステロールを排出し、動脈硬化の予防に効果がある。また、糖の吸収を緩慢にするので、血糖値も安定し、糖尿病の人にも効果がある。
選び方
- サヤエンドウは、収穫すると水分がどんどん出てしまうので、鮮度のよいものを選ぶこと。
- ガクの部分が生き生きとし、サヤにピンと張りがあり、つややかなものが新鮮。
- グリーンピースは、サヤがふっくらとして、緑色の濃いものが新鮮。黒ずんでいないものを選ぶ。
保存
- 収穫後、できるだけ早く使い切ってしまうのがポイント!1~2日くらいなら、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で、 それ以上の場合は、硬めにゆでて冷凍保存する。
- グリーンピースは、サヤから出すと味がどんどんおちるので、使う直前にサヤから出す。
調理のポイント
- スジをとること。ヘタの部分を手で折るようにして、サヤの内側のスジを 引くようにする。グリーンピースは、スジを取ってから、サヤを開き、豆が乾燥しないように、水の中に豆を放すようにする。
- 加熱の仕方として、サヤエンドウは、火のとおりが早いので、短時間で加熱し、美しい色を生かす。ゆでる場合は、たっぷりの熱湯に塩を加え、サッとひと煮立ちさせ、手早く ザルにあげる。余熱でのゆですぎを防ぐために、冷水にサッとくぐらせる。グリーンピースは、ゆでてすぐに引き上げると、豆にシワができるので、ゆで汁の中で冷ます。
遺伝学に大貢献!
品種改良の基礎になっている「遺伝学」に貢献したえんどう豆。19世紀のオーストリアの小さな村に生まれた「メンデル」は、何人かの学者とともに、植物の異変がなぜ起こるか?というテーマについて、エンドウを材料に、交配を行い、植物の形質には次代に伝わる実体があることを確認した。この実体が遺伝子。1865年、遺伝学の基礎となった「メンデルの法則」として結果を発表。「メンデルの法則」は、優劣の法則と分離の法則と独立の法則からなる。
ツタンカーメンのえんどう
古代エジプトのツタンカーメン王の王陵の発掘で、数々の副葬品が発見され、古代エジプトの文明の高さが、見直された。実はその中に、「えんどうの種子」が含まれていました。しかも、3000年以上も生き続けて、発芽し、日本でも、紫色の花を咲かせている。このえんどうは、「ツタンカーメン」と仮称され、サヤは紫色で、中の豆は茶色。古代人は、豆を乾燥させ、穀物として利用していたのではないかと言われている。
中国野菜の豆苗(トウミョウ)
えんどうの若芽の先をつるごと5~10cm 摘み取ったもが「豆苗(とうみょう)」。収穫に手間がかかるので、中国野菜の中でも高価なもの。専用種(褐(カツ)えんどう)もあるほど。旬は春。茎、葉ともさわやかな緑色。味はほうれん草に似ていて、香りはさやえんどうと同じ香りがする。塩炒めやスープの実、おひたし、和え物として、利用されます。サッと火を通すのがコツ。