特徴
- 西アジア、アラビア南部原産。世界の暖地を中心に広く栽培されている。
- 名前の由来は、一月にして熟す=一熟(いちじゅく)また、一日一果ずつ熟す=一熟が変化して、「いちじく」となった。なので、「いちぢく」ではなく「いちじく」が正しい。唐柿、南蛮柿とも呼ばれる。
- 日本のイチジクは、受精せずに熟す品種。秋に熟すものと、幼果のまま冬を過ごし夏に熟すものがあり、年2回収穫できる。
- 漢字で「無花果」と書くが、花が咲かないわけでなく、実の中に無数の白い花を咲かせます。実に包まれて外から見えないので、花が咲かないように思われている。果実の中の赤い小さな粒が花。
旬・産地
- 果実が熟す時期により、夏果(なつか)・・・6~7月と秋果(あきか)・・・8~10月に分類される。
- 日照に恵まれた乾燥・温暖地帯が栽培に適している。北海道をのぞく全国で栽培。主な産地は、愛知、大阪、兵庫、広島、福岡など。アメリカのカリフォルニア州や地中海沿岸諸国が主な産地。
種類
日本で多く栽培されている種類は「桝井(ますい)ドーフィン」。甘みがあり肉質が少し粗い「蓬莱柿(ほうらいし)」。夏果(なつか)の「ビオレ・ドーフィン」。秋果(あきか)専用品種で、小さい果実の「セレスト」。夏と秋兼用の品種で果実の皮が白っぽい「ホワイト・ゼノア」などがある。
効能
- 食物繊維は、水溶性食物繊維であるペクチンで、腸の活動を活発にさせる。
- 歯や骨を作るカルシウム、鉄分、ミネラル、ビタミン等がバランスよく含まれており、特にカリウムはぶどうワインの2倍以上含まれる。
- 塩分中のナトリウムとのバランスをとって排泄を促進するので、塩分の摂り過ぎによる高血圧や腎臓障害を予防すると言われている。 古くから、生薬としても用いられている。
- 生食すると、便秘、健胃、整腸作用、潤腸作用がある。胃腸が弱くて、下痢をしたりする症状には実を3~4個食べるとよい。
- 秋に熟した果実を天日で乾燥させてものを「無花果(むかか)」といい、生食と同じ効果がある上、のどの炎症を和らげるので、風邪の時ののどの痛みによい。
- 真夏に葉を採取して水洗いし天日で乾燥させたものを「無花果葉(むかかよう)」といい、煎じたものを、空腹時に服用すると、血圧降下の効果。お風呂に入れると神経痛、冷え性や痔に効果がある。
- 枝や葉を折ると、乳汁がでる。この成分は、フィシンと呼ばれるタンパク質分解酵素なので、肉などの消化を助けので、食後のデザートに最適。その他、虫下しやいぼとりにも使用される。
選び方
生食するには、頭の部分が適度に裂け、赤褐色に近づいた色のものが、多汁で甘みがあって美味しい。さわってみて、やわらかいものがよい。未熟な実は効能が低いだでけでなく、胃が傷んだり、食欲をなくしたりすることがあるので、必ず、熟したものを食べましょう!
加工品
生食することが多いが、ジャムやシロップ漬け、ドライフルーツなどの加工品にもなる。一晩水につけてアクを抜き、ワインとレモン2~3切れ加えて煮たり、イチジク酒にする。イチジク酒は、果実の3倍のホワイトリカーに砂糖は、ほとんど使わずに漬ける。3ヶ月ほどで飲めるようになる。
アダムとイブ
歴史は古く、旧約聖書の創世記「アダムとイブ」の物語で登場する。"禁断の実"を食べてしまったアダムとイブは、はじめて自分が裸ということに気づき、いちじくの葉などで、体を覆ったとされる。また、聖書の中にはその他の箇所でもオリーブと同じようにいちじくもよくでてくる。古代エジプトの壁画でも発見されている。