旬
養殖物は5月から7月に多く出回るが、天然物は、産卵のため海に戻る直前の秋から冬のものが脂がのっていておいしいといわれる。
特徴
世界に18種類生息するうなぎは、魚類のなかの無尾亜目ウナギ科に属し、日本には2種類(ニホンウナギ、オオウナギ)がいる。通常、私たちが食しているのは、主にニホンウナギ。しかし、近年は7割が外国産といわれている。
目は小さく、体は細長い円筒形。腹ビレはなく、背ビレは尾までつながっていいる。鱗はほとんど退化している。ちなみにうなぎがぬるぬるするのは、体表に粘液細胞が発達し、ムチン(蛋白質と炭水化物の複合体)という物質を分泌しているため。粘液が水分を保つ働きがあり皮膚呼吸を助けている。淡水と海水のように、環境の違う場所に生息できるのは、この粘液細胞に体内と体外の浸透圧を調整する機能があるから。 同じウナギ科にはアナゴ、ハモ等があるが、ヤツメウナギは、実は科が違う。
うなぎの成育
フィリピン東方沖で産卵し、稚魚(レプトレファルス幼生という)は数ヶ月かけて東南アジアの沿岸までたどりつく。その後、シラスウナギに変態し、川を遡り、エビ、カニ、貝類、小魚等を食べて成長する。数年かけて成魚になり、再び降海、産卵回遊に入る。養殖うなぎは、12月から3月にかけて河口に上がってきたシラスウナギを捕獲し、半年から2年程度加温養殖したもの。養殖鰻は、タラやイワシ等をベースにした完全配合飼料があり、それを食べている。ちなみに、孵化から完全に養殖することはまだ実現していない。
産地
- うなぎといえば浜松が有名だが、日本一の生産量を誇るのは、愛知県一色町。県別の生産量も、愛知、鹿児島、静岡となっている。
- 近年国内でのシラス捕獲量が減り生産量も減少しており、輸入うなぎが増加している。国内消費量の半分は中国、台湾、マレーシア等からの輸入ものである。
- 天然物の漁獲高は年間2000トンに満たなく、市場に出回る95%は養殖物となっている。
栄養・・・夏ばてに効くって本当?
- 鰻には、ビタミンA・E等のビタミン類が体に吸収しやすい形で含まれており、疲れた夏の体にぴったりといえる。また、良質なタンパク質やカルシウムを含んでいる。
- 最近注目されるDHA、EPA等も豊富である。女性には欠かせない鉄分も多い。
- なお、うなぎに添えられる山椒は、うなぎの味を引き立たせるだけでなく、胃酸のPH値を下げ、うなぎの消化を助ける働きがある。
- ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ち、スタミナ不足を助け、免疫力を高める等の作用がある。それもレチノールという効力の早い種類が、蒲焼き1人前で一日の所用摂取量がまかなえる豊富に含まれる。
- ビタミンEはホルモンのバランスをコントロールし、不妊症・早産・自律神経失調症を防ぎ、ニキビやシミ・ソバカス・肌荒れに効果が高い。
- DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の働きを活発にすると注目されている。他にも、ガンの抑制作用コレステロール低下作用、抗アレルギー作用などもある。
- EPA(エイコサペンタエン酸)は血管を丈夫にするといわれる。
選び方
- 水質や環境などで、黒、灰色等もあるが、養殖物では、「あおて」といって青色のものが柔らかくておいしいといわれる。
- 大きすぎると大味になっていくので注意。150gくらいが最適。
- 天然うなぎは、普通、茶色をしている。
蒲焼きの作り方・・・関東の背開きと関西の腹開き
- 関東風では、背中から開き、串打ちし皮から焼く。何度も裏返し、皮7・身3の割合で焼く。次に湯気の立っているセイロで15から20分蒸す。これで身は柔らかく、脂肪分もまろやかになる。さらに、味醂と醤油を煮つめたタレに浸し、身8・皮2の割合で繰り返し焼く。串は焼き上ったらすぐ抜く。
- 関西では、腹から開き、身から焼き、「蒸し」は入れない。カリッとしているのが関西風。ちなみに、関西ではごはんにまぶして食することから、うなぎ飯のことを「まむし」と呼ぶ。
蒲焼きの温め直し
- [ 電子レンジの場合 ]
- 酒小さじ1をふりかけ、電子レンジで、1分30秒程度温める。少し皮が水っぽくなるが、かんたんにやわらかくなる。
- [ フライパンの場合 ]
- テフロン加工のフライパンにうなぎ、市販のたれ2:酒1を入れ、蒸し焼きにする。味は濃いめになりますが、ふんわり仕上がる。
- [ 焼き網の場合 ]
- まず、焼き網をよく熱し、うなぎの身を下にして軽く焼いた後、ひっくり返し、たれ(市販のたれ2:酒1)をはけでぬる。面倒だが、食感、香ばしさともよく仕上がる。
食べ物の起源
- うなぎは昔から人々の暮らしのなかにとけこんでおり、古くは「万葉集」に「武奈伎」「牟奈伎」という名前で登場している。奈良時代頃からは、滋養食品として食べられていた。
- 現在のような蒲焼が完成されたのは、概ね元禄の終わりから正徳の始め頃といわれる。それ以前は、開きにせず、口から尾まで串に刺して丸焼きにして、山椒味噌をつけて食べていた。その昔は、ごく庶民的な食べ物だったが、江戸時代の元禄頃、完成された蒲焼きの方は高級料理になった。
土用の丑の日のいわれ
- 「平賀源内説」、「春木屋説」等いろいろあります。
平賀源内説は、江戸のウナギ屋が売れなくなって困っているのを知った蘭学者「平賀源内」が鰻屋にたのまれ「今日は土用の丑の日」書いたところ、ものしりとして有名な源内の言うことならということで、そのうなぎ屋はたいへん繁盛した。。。この日が丑の日だったことから、それ以来、土用の丑の日にウナギを食べるようになったという説。
- 「立秋」の前18日を「夏の土用」といい、年に1回の時と、2回の時がある。
うなぎの食べ方いろいろ
- [ うなぎといえば、やはり、蒲焼き ]
- 東日本と西日本では、開き方や蒲焼きの調理方法が異なる。関東では背開きするが、武家社会の影響で腹を割くことを嫌い背開きにしたといわれる。商人文化の発達した関西では「腹を割ってはなす」から腹開きといわれる。ほかに、白焼き、きゅうりなどとあえた「うざく」、卵焼きの「う巻き」等、うなぎやさんで見かける楽しみ方がいろいろある。
- [ 地方独特の食べ方(名古屋)]
- 名古屋・熱田神社付近で有名な「ひつまぶし」がある。おひつにごはんをいれ、ごはんとごはんの間に細切りにした鰻の蒲焼きを挟み、さらに一番上に鰻の細切れと刻み海苔を振りかけて供する。「ひつまぶし」は、「まず鰻だけを楽しむ」「飽きてきたらごはんと食べる」「最後にお茶漬けにして食べる」ことで、1度に3回おいしいといわれている。
- [ 地方独特の食べ方(関西)]
- 半助鍋。鰻の頭を関西では半助といい、地焼の蒲焼の切り落した頭(半助)を、ねぎや豆腐といっしょに煮たものである。
- [ 地方独特の食べ方(世界編)]
- スペインでは稚魚をオイル煮にして楽しむ。土鍋にオリーブオイル、ニンニク等を入れて、揚げ煮する。また、フランスでは鍋物があるらしい。お隣中国では、鱗(うろこ)のない魚としてあまり好まれない。