旬
冬から初夏にかけて。春先からグリコーゲン、コハク酸などの含有量が増えて、うま味が一段と増す。
特徴
- 殻の表面は、布目状で、様々な模様がある。
- 波打ち際から10mくらいの深水までの海底に、5cmくらいもぐってすんでいる。
- 斧(おの)の形をした斧足(ふそく)=舌とよばれている部分を出して移動し、繊毛(せんもう)の働きで水流を起こし、体内に新鮮な空気をとりいれる。エサは、プランクトン。
- 貝を開けたり、閉じたりするのは閉殻筋=貝柱と呼ばれている。
- 3~9月に産卵する。殻の高さは3cmほど、殻の長さは4cmほどに成長する。
- 大潮で砂浜が広くなると、アサリ採りに最適となる。潮干狩りの光景からもわかるが、アサリの名前は「漁(あさ)る」が転じてつけられたもの。
- あさりを食べる習慣は、非常に古く、縄文時代の貝塚から発見される貝殻は、アサリがいちばん多く、貝塚から発見される貝殻は、焼いたあとが残っており、焼いて食べる歴史も古い。
産地
- 国内でとれる貝類の中で、もっとも生産額が多い。
- 全国各地の内湾に広く分布しており、淡水が流入して、やや塩分濃度の低い砂泥質の海底に棲息している。
- 北海道から九州全域、フィリピン、シナ海に分布。主な産地は東京湾、伊勢湾、三河湾、瀬戸内海、有明湾など。
- 稚貝を採取し、これを生育に適した海底で繁殖させる方法も盛ん。
栄養
- カルシウム、鉄分を含み、うま味のもとである有機酸に富んでいる。
- タンパク質が多く、脂肪が少ない。
- 貝類の中で、ビタミンB12が非常に多く含まれる。ビタミンB2、タウリン、マグネシウムなどが豊富。
- タウリンは、アミノ酸の一種で、動脈硬化に有効とされ、血液中の余分なコレステロールを排出する作用や、肝臓の機能の向上にも効果がある。
- 鉄分は、血液のヘモグロビンの成分となる。酸素供給と関係しているので、元気な血液でいられる。そして、体内で合成されないビタミンB12の供給源でもある。不足すると、悪性貧血、神経疾患などを起こす。
- 貝のうまみは「コハク酸」が多いことで、アサリは、帆立貝に次いで、コハク酸が多く、調理上で「だし」は不要となる。
選び方
- 殻付きは殻を固く閉じていて、水に入れると水管を出すものが新鮮。模様が鮮明で、ぬめりのあるもので生きているものを使う。
- むき身は身がはって弾力、つやのあるものを。潮のにおいのするのは、新鮮の証拠である。
- 模様が不鮮明な場合は老貝で、 口が明かず、殻の色が茶褐色に変色しているものは死んでいる貝。 殻が丸くふくらみを持ち、長めのものを選ぶのもポイント。 殻の短いものは、やせているものが多い上に、うまみも半減する。
保存
薄い塩水に入れて冷暗所に置けば生きたまま保存できますが、できるだけ早く調理すること。夏場は殻付きのまま冷凍保存する方法も。
調理のコツ
- 調理のコツは火を通し過ぎないこと。
- 汚れを落とす時は、殻と殻をこすりあわせる。むき身の場合は、塩水の中で振り洗いをする。
- 初夏から初秋にかけては、食中毒を起こしやすいので、十分に加熱すること。汁物にする場合は、水から入れて口が開いたら調味料を入れ、汁物に仕立てる。調味料を入れたら、煮すぎないこと。
- むき身は、かき揚げ、深川丼、クラムチャウダーなどに。
- 店頭でパック詰めものが売られていることが多いが、よく売れる店では日付を確かめること。殻が欠けていたり、穴があいていないかをチェックすること。
砂抜きのワンポイントアドバイス
多くは砂出しして出荷されるが、「砂吐き」「砂抜き」と表示してあっても、家で再度砂を吐かせた方が安心。殻付きの生きたものを砂出しするなら貝類の住んでいた生活環境になるべく近い状態にする。2~3%の食塩水で、水の量は貝がやっと浸るくらいがベスト。夏場は3~5時間が限度。長時間同じ水に入れておくと、水も貝も腐ります。
- 前夜から塩水に入れる。☆夏場は、3~5時間が限度。
- 砂堀の砂をはかせるには、海水と同じ2~3%の塩水につける。
- 塩分が多すぎると脱水作用を起こすので注意。
- 塩水が深すぎてもよくない。水の量は、貝殻がスレスレに水につく程度。
- 暗い所においておくがポイント!
- ボールなどより平らなパットで貝を並ばせて浸すのがベスト。
- 釘や鉄包丁を一緒に浸すとベター!(迷信説あり)
- ベストはカルキ抜きの水を使用すること。
アサリの砂抜きには釘や鉄包丁は有効か?
いろんな文献には「特別因果関係はなく効果もない」と迷信説が出ているが、一方ではこんな見解も。あさりは海水の中で伸び伸び呼吸をしていて(当たり前)、海水には「鉄イオン」が含まれており、砂抜きするさせるのに浸す水を海水に近づけることためには、塩水の中に「鉄」を入れることで、アサリも元気良く呼吸することで砂を吐きだすという説。ようは・・・「あさりの砂抜き」=本来の生存環境-砂がコツ。
下町の味「深川丼」
アサリといえば、東京の下町の味といわれるほど。江戸時代の頃、深川は貝類の産地として名高く、アサリのむき身とネギ、揚げ玉をしょうゆ味でアッサリと煮て、あつあつのご飯に汁ごとかけたものを「深川丼」と言う。むき身をしょうゆで濃い目に煮て、その煮汁でご飯を炊き、炊き上がり直前に、煮たあさりを混ぜ込んだものを「深川飯」という。薄切りしょうがとしょうゆ、酒を煮立て、水気を切ったアサリのむき身を入れ、汁気がなくなるまで、じっくり煮込んだ「アサリの佃煮」も東京下町の味なのです。