歴史
- 日本であずきは、古くから栽培されており、弥生時代からだと言われている。静岡県の登呂遺跡からも発見されている。また「古事記」「日本書紀」でも記されている。煮汁を着色料としたり、赤飯、あずき粥として食されていた。赤い色は、呪力があるとされ、1年や季節の変わり目、生活の節目の時など厄除けとして利用されてきた。
- あずき粥は、小正月(1月15日)に食べる風習が、現在も残っている。
- お祝い事に赤飯を炊く風習は、江戸時代後期から一般に広がった風習で、明治時代には祭りや祝い事に欠かせないものとなっていった。別名を「強飯(こわめし)」「おこわ」ともいう。
- 赤飯は当初、神前への供え物として「赤米」を炊いていた。赤米は、そのまま炊いても赤い色に炊き上がる。赤米の生産が減少したのにともなって、あずきを利用した赤飯が用いられるようになってそれが、一般に広まっていったものと言われている。
- あずきは漢方でも古くから利用されている。生薬名は「赤小豆(せきしょうず)」という。
- 古来、人が常食とする五種の穀物「五穀」のうちのひとつ。五穀は、「米」「麦」「豆(大豆・小豆)」「粟(あわ)」「黍(きび)または稗(ひえ)」
種類
- [ 赤あずき・・・赤褐色(あずき色)]
- 北海道の十勝地方で栽培されるあずきは「十勝あずき」と呼ばれ、生産量も多く、 あんに加工しても質がよい。 赤あずきの中で粒の大きなものを「大納言(だいなごん)」 と呼び「丹波の大納言」が有名。丹波は他に「丹波の黒豆」も有名である。
- [ 白あずき・・・淡黄色 ]
- 皮が柔らかく、特有の風味がある。白あんの材料として高級和菓子に利用される。 普通の白あんは、白インゲンマメが用いられる。白あずきは、岡山県産「備中白あずき」が有名である。
- [ 緑豆(りょくとう)・・・緑色 ]
- あずきと同属類に分類されている。中国では、あずきより広く栽培されている。豆モヤシの素材として最上とされている。粉にしたものは、中国料理の食材「春雨」に加工される。
- [ ささげ・・・赤褐色(あずき色)]
- 赤飯を炊く時、あずきは、煮ると皮が破れるため、武士の時代「切腹(胴割れ)」に通じると言われ、皮が堅く破れにくい「ささげ」をあずきの代用として、赤飯に利用されていて、 現在でも、赤飯を炊く際に、ささげを利用することも多い。
栄養
- 主成分は、デンプンとタンパク質。ビタミンB1が多く含まれており、脚気(かっけ)に効果がある。脚気は、米を主食とする民族特有の病気のひとつで、ビタミンB1欠乏から起こる病気。また、疲労物質の蓄積を防ぐ働きがあるので、肩こり、筋肉痛、二日酔い、夏ばてに効果あり。母乳の出をよくする効果もある。
- 腸の働きを刺激するサポニンと食物繊維が豊富なので、利尿や便通をよくします。尿がよく出て、むくみもとれるので、心臓病、腎臓病にもよい。
- 皮膚にはれものが出来た時は、あずきの粉と大根おろしを一緒に練って、ガーゼにのばし、皮膚の腫れたところに湿布する。大根の冷やす作用と小豆の消炎作用で腫れがおさまる。
選び方・保存
粒が大きくそろっていて、皮が薄く、色ツヤのよいものがよい。虫のつきやすい豆なので、風通しのよい、冷暗所に保存する。
加熱のしかた
あずきは水分を吸収しにくい性質をもっているが、小粒なので加熱すると早く煮えるので水洗いをしたあと、すぐに煮て大丈夫!
- あずきと水(あずきの4~5倍)を入れて煮立てる。煮立ってきたら、湯を切る(この作業を「渋きり」という)。渋きりは、アクや渋みを取り除く大切な作業。
- 新たに水を加え(あずきの3~5倍)煮る。ときどき水を入れる(これを「ビックリ水」という)。ビックリ水は、加熱むらをなくし、豆がきれたり、皮にシワがよるのを防ぐ。
- 1~1時間半ほど煮る。指で軽くつぶれるくらいが、煮えた目安。元の豆の2.5倍ほどになる。
- 調味料は煮えたあと入れる。
「あん」を作る時、砂糖は、あずきの重量と同じか少し多め。 塩を加えると味が整っておいしくなる!塩の量の目安は、砂糖の量の0.5%程度。
- つぶしあん・・・煮あがったあずきに砂糖を加えて練ったもの。
- こしあん・・・煮あがったあずきをこして、皮をとりのぞき、砂糖を加えて練ったもの。
- つぶあん・・・つぶしあんやこしあんのように、練ったりこしたりせず、ゆでたあずきに砂糖を加えて煮あげたもの。
赤いダイヤ
あずきは天候の影響を受けやすく、年ごとに出来、不出来の差が激しい。値段の変動が大きな作物であることから、不作の年が続くと「赤いダイヤ」と言われ、高価なものになる。
あずきを使ったお菓子
- [ 大福(だいふく)]
- ルーツは、うずら焼き。あんを包んだ焼餅。うずらのようにふっくらとした形で、とにかく大きく食べるとおなかがいっぱいに なってしまう。あまりにも大きかったので、小さく作って売り始めた人が「大福餅」と名前を変えて売り出した。これがとっても人気を呼んだ。最近では、いちごが入った「いちご大福」も人気。
- [ ぼた餅・おはぎ ]
- ぼた餅とおはぎは、同じ物。ぼた餅=牡丹餅、おはぎ=お萩。春のお彼岸に食べるのが「ぼた餅」。秋のお彼岸に食べるのが「おはぎ」。そう言えば、春のぼた餅の頃、「草餅」もよく出回りますね。春になると、道端にも蓬(よもぎ)が一斉に顔をだすので、そのよもぎを練りこんだ生地の草餅も結構おいしい!
- [ 桜餅(さくらもち)]
- 桜餅の元祖は、江戸の向島の長命寺。当時から桜の名所となっていた。お寺の門番が、塩漬けにした桜の葉を利用して桜餅をうりはじめたら、たちまち人気に!1824年の記録によると、1日に1076個売れたとか。関東と関西では、生地が違う?関東では、小麦粉を水で溶いて薄く焼いたもの。関西では、もち米が原料のつぶつぶの道明寺粉を使います。子供のころ、桜餅の葉をとって食べてませんでしたか?あの、ほのかな桜の香りのする桜餅は、桜の季節ならではの旬の和菓子ですね。
- [ きんつば ]
- 今のきんつばって、四角い・・・でも昔は、丸かったってご存知?きんつばの「つば」は、刀のつば(刀の柄と刀身の間の鉄板)のことです。京都では、この丸い形の「銀つば」が大流行。1700年頃、この京都で流行した「銀つば」が江戸に伝わった。その時「金つば」と、格あげもされたとか?!銀つばは、あん入り焼餅に対し、金つばは、小麦粉でつくられた今の形。浅草で発売された四角い金つばが大流行し、その後、今の四角い形が主流となっっていった。
- [ どら焼き ]
- そうそう、ドラえもんが大好きなオヤツ。。。どら焼き!でも、ドラえもんが好きだから"どら焼き"ではないんですよ!実は、この「どら」は、打楽器の「ジャァーン!」となる銅鑼(どら)の形に似ていることから、という説があります。このどら焼きが誕生したのは、江戸時代。でも、最初はあんをはさんで焼いたお餅だったようで、生地が、小麦粉、卵、砂糖を使ったものに変わったのは、明治時代以降。でも、当時の生地は、あのふっくらするベーキングパウダーが入ってなかったようで、ちょっと堅い生地だったようです。
